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[実証]料理がまずいと有名な国イギリスで、地元の高級イギリス料理店のランチを食べると値段通り美味しいか?

2020/02/05
 
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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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イギリスの食文化はなぜ遅れているか?

 さて、今日のお題は「イギリスにある、イギリス料理の高級料理店のランチは本当に値段通り美味しいか?」ということですが、イギリスは、皆さんご存知のように、ごはんが全く美味しくない国です。笑。

 この事は世界的に有名な事実で、色んな方々が、その原因を熱く語っておられます。

天候が理由でごはんがまずい?

イギリスのとある農地:イギリスの空はいつもグレー!

 結婚してから料理に目覚め始めた私の夫が、毎日述べているその原因の一つに、「イギリスの天候」があります。

 イギリスの空はいつも地元民から「グレー」と言われるほど曇っていて、小雨がよく降ります。
 この天候を嫌ってオーストラリアなどに移住する人もいるほどです。

 この天候により、日光が地面にまで充分届かずバラエティーあふれる野菜や果物が育たない。その為に、食文化が他国に比べて遅れている、とか。

 そしてそれが理由で、人々が代々文化的に食事に関心を持たず、イギリスの料理はそれほど発展しなかったのであるとか。

イギリスの虹:まだグレー!でも時々完璧な虹に出会えるよ!

アフタヌーンティーの事実

 時に映画などで、イギリスの貴族たちが食べているような、素晴らしい3段の皿とティーを見たことがあるかもしれません。

 見かけは素晴らしく美味しそうでキュートで高級そうなイギリスの伝統、「アフタヌーンティー」です。

有名店のアフタヌーンティー

 これは、キュウリのサンドイッチであるとか、甘すぎるムースとか、硬いアイシングのケーキであるとか、スコーンとジャムであるとかで成り立っており、見かけだけが貴族で、中身はそれほど?美味しくありません。

 キュウリのサンドイッチとは、「キュウリのサンドイッチ」しか意味しません。騙されないようにしてください

 ここで美味しいのは、「ティー」と呼ばれる部分だけです。

 雰囲気を楽しむ分には完璧で、不味くはないかもしれませんが、その全部が、多分、少なくとも私にとっては、「家でも特に好んで食べない」レベルだと思います。見栄えは華やかですけれど。

 スコーンは時々美味しいローカルの店があったりしますが、

 料理が美味しくない国での「美味しさ」をどこまで信じられるのかは個人の力量にかかってくるのではないかと思いました。

つまりそれだけ、お金を持っていた当時のイギリスの貴族たちの間ですら、食文化がそこまで発達していなかった言う事なんです。

日本人のランチ感覚

 私は日本にいた時に、なぜハンバーガーや外国コーヒー店の硬いケーキが流行るのか全く分かりませんでしたが、イギリスに来てかなり理解できるようになって来た気がします。

 日本の食文化が進みすぎているのです。

進みすぎた日本のランチの例。北陸の美味しい精進料理のランチ。

 最近は、ジェイミー・オリバーなど、イギリス料理で人気の料理家が世界的に有名になったりしていますし、実際彼の料理は美味しいです。

 が、まだまだ、家庭内で美味しくて安上がりの料理を食べると言う事自体のイギリスの格差は、各家庭内で激しそうです。

それはさておき。

ランチはいくらまで?

 庶民感覚のランチ、例えばせめて4百円から5百円くらいを出すと、日本では、ほかほかお弁当など結構美味しくて良いものを食べたりできますよね。

 この点で日本はものすごく幸せな国です。

 イギリスでは、5ポンド相当くらいでは、ハンバーガーかチキンくらいしか美味しいものが見当たりません。

 日本のランチレベルのものをランチで食べようとすると、最低でも£12くらい(大体2020現在の日本円換算で1714円くらい)は出さないといけないのではないでしょうか?

 ロンドンであれば2倍くらいしますから、そもそも£24くらい出さないと日本並みのランチにあり付けないかもしれない訳です。

 庶民的には、毎日これをやっていられませんよね。ですからハンバーガーやチキンが天下を取れるのです。

地元の高級レストランのランチは値段並みに美味しいか?

 イギリスでは、本当に美味しい高級レストランと言うのは、チェーン展開されたレストランを指さず、地元で個人的に経営されているものを指します。

 それも、高級ですから値段も客層も違います。

「えっ、じゃあお金を払ったら結構イギリス料理でも美味しいの?」

と、思いますか? それとも、

「いや金を払うんだから美味しいのは当たり前だろう!

イギリス料理だって金を出せばそれ相応のものは来るさ!」

と、思いますか?

とある高級イギリス料理店の有名ランチ

 と、言うことで今回、地元で超有名な、一人48ポンド(日本円で約6870円)のランチに行ってまいりました。

 この高級ランチフルコースでは、料理ごとに合ったワインをつけることができ、それをつければ68ポンド(日本円で約9688円)にまで値上がりすると言うツワモノです。

 周りを見渡すと、やはり、「着ている服」が違います。ゴージャスに着飾っている訳ではなく、一応カジュアルな服装のはずなんですが、どこか上品な雰囲気が漂っていて、自信に溢れて見える。

 無理をしてきついジーンズを履いている人がいない。どこか余裕がある

 ああ、高級なんだなとわかる感じです。

メニューの内容

 「ヨーロッパの国際的なイギリス料理」という売り出し文句で開店していますとてもお洒落なお店です。地元では予約なしで入ることができません。

 店内には小さなオレンジの木が数個配置されていて、テーブルには真っ白なテーブルクロスがかかっています。白い布のテーブルクロスは高級料理店では定番です。見かけはとても清潔感が溢れていてキュート。

 窓から見える壁も可愛いです。

前菜1品目

タラとタラゴンのパテ、ピーナッツのブリオッシュ
グレープフルーツケチャップ、レムラード

 すいません!一品目の写真を撮る事をすっかり忘れていました!

 なぜなら一品目の前に出てきたハーブ入りのパンがとても美味しかったからです!イギリスで美味しいと言える食べ物は「パン」です!と言えるかもしれません!

 この1品目の前菜的な料理は、小さなお皿に平たいパンケーキのようなパン(ブリオッシュ)をベースにして、その上に、魚のタラとタラゴンという植物のパテが乗せてありました。ソースが二種類皿にかかっており、前菜としては美味しく、見た目も美しかったです。

 まあ、このままメインまで行けば最高、と思いましたね。

前菜2品目

ゆっくりとローストした新鮮なハーブとポークのタルティーヌ
 燻したベーコンジャム、りんごキャラメル、砂糖漬けのセルリアック

ポークタルティーヌ。りんごとセルリアックのせ。
上から撮ると綺麗かな?

 2品目、見た目は上品です。テンションが上がります。しかし、味は、どこか、… …んんん?

 特に円形の土台となっているポークなどは実際、魚の缶詰に似ているなと思いました。イワシとかツナの缶詰の肉の部分ありますよね?それから少し水気を抜いて、あまり味をつけなかった感じです。
 隣にあるベーコンかコンビーフをスタッフィンで固めてある物体、これもあまり味がしません。

 いや、なんだか、よくわからないぞ、と思い始めました。りんごは美味しかったですが。

 まあいいや、前菜の2品目だし、前菜とはそういうものです。メインまでの前座。味を誇張してはいけないんでしょうきっと。と自分を落ち着けます。

前菜3品目

マファルデパスタ、ワイルドマッシュルームバター、
黒オリーブのピューレ、細く刻んだビーフ

マファルデパスタ。黒オリーブのピューレ。

 皿とスプーンはピカピカに磨いてありますがね。私はこんなに光る皿を見たことがありませんでした。まるで黒い鏡のようです。

 一口食べた感想が以下です。

 黒いのは確かオリーブのピューレで… そやけどこれ、なんか味ない黒いあずきようかんの、てい良くこしたやつみたいやなあ… …

 まあ黒いのはソースらしいし、これはまだ無視できるかもしれへんけど… …

 大阪弁すら頭の中でぐるぐる回り始めます。

 この、細いコンビーフみたいなのを口に入れます。

 口に含んで、あれ、おかしいなあ、スルメの方が味があるかなあ… うーんこれはなんだろう。

 私:夫よ、これは、なんだね?
 
 夫:ビー…フ?

 のような会話をし始めますが、続く言葉が出ません。シェフやスタッフがウロウロしている場所で、「なんか味がないかも」とは小声でも言えず。

 また、これは夫がクリスマスプレゼントの一環としてくれた高級ランチへの招待だったので、夫にも明らかなことは何も言えず。態度に出すのも失礼かとも思い始め、

 気持ち的にも複雑なものが色々混ざり合って行きます。

 更に、その価格が価格ですから、根本的に自分自身でも、何かに気づいてしまってはいけないような、

うーん、このパスタひらひらやし、なんか冷たいなあ

 などと、自動的に思ってしまう事ですら空恐ろしいような気がして、とりあえず、無理やりテンションをあげます!

 メイン!そうだ!メインはバッチリだろう!そうに違いない!

メイン1品目

地元のキジのフライ、サボイキャベツのクリーム煮、
パースニップのアイオリポレンタチップス※、
クランベリーとオニオン風味。

※英国でチップスというとフライドポテトのことを指します。

キジのフライとポレンタチップス。クリームキャベツ添え。

キジと聞いてちょっと物珍しさもあり、興味津々でしたが、このカキフライ一個みたいな、小さなフライは… …?

 これがメインのキジ?が最初の感想でした。

 まあとりあえず、そのキジのフライの横に並ぶフライドポテトのようなポレンタチップスに手を出します。

 ちょっとテンションが上がります!ちょっとよくわからないけど、クランベリー甘くて、何かが辛いし、ちょっと美味しい!

 ポレンタチップスはとても美味しかったです!!!3本しかありませんでしたが、むしろポレンタチップスだけでいいのではないかと思いました。これはもう一度食べたいですね。

 次に、キジのフライとキャベツのクリーム煮は… … うーん、キジじゃなくていいのではないか、などとよくわからない事を思ったりしました。テンションが下がります。

メイン2品目

子羊のステーキと、ポテトのフラン、燻しワサビ、
チョコレートとバルサミコソースのビートルート添え

子羊のステーキとポテトのフラン

 フォークをステーキに突き刺した瞬間、これはテンションが上がりました。

 ソーセージみたいに見えますが、これは本当に、とてもうまく焼いた子羊で、その横にあるのはポテトです。

 このポテトは味がなく、本当に私が家で作った方が美味しいと思いますので、このポテトは要らないかなと思いましたが、子羊はかなり美味しそう!

 一口目。.

 .. …肉は本当に美味しいけど、味がしません。

 燻したワサビが一体どこにあるのかというほど、ピリッともしません。その緑色のはグリーンピースのピューレ。

 ビートルートと一緒に食べると、ビートルート(写真の肉の下に敷かれた赤紫のもの)が味を出している気がしましたが、ビートルートというのはとても味の濃い、日本で言えば「らっきょう」や「なら漬け」のような漬物として食べられる食べ物な訳です。

 肉の味ではなく、食感だけが肉で、味がビートルートのステーキをいただいているようでした。

 例えば、ここで簡素な日本料理のほうれん草のおひたしを思い出すのです。

 あんな簡素な料理でも、ちゃんとその素材に合った味がついているよう工夫されているんだなあと、一口ごとに、しみじみと日本の食文化が素晴らしい事を思い知らされるのでした。

デザート

リッチミルクチョコレートのクリーム。
ピリッとしたかぼちゃのムースとブランデーの飴細工。
オレンジジェラート。

 ここでついに夫が、これ、俺オレンジ好きじゃないから食べない?と言い出しました。

 ちなみに、チョコレートクリーム?は全く甘くありません。チョコレートの、あまり味のない「ようかん」を思い浮かべてもらえればぴったりです。

 逆に、その横にあるオレンジのジェラートは甘すぎるのでした。

しかし皿が素晴らしく綺麗に磨かれていますよね。笑。鏡のようです。

結論:イギリスの高級イギリス料理は値段相応に美味しいか?

 もう言わなくてもお分かりと思いますが、結論としましては、

  •  レストランのサービスや内装を楽しめた
  •  使っている食材が良かった
  •  皿がすごく磨かれていて鏡のようだった

 この上記の点を合計すると、全体的に評価は「普通」になります。

 日本人として、この値段とこの美味しさのレベルを鑑みると、更にこの評価は落ちますし、もう一度行きたいかと言われると疑問です。

 使っている食材が素晴らしいことはよく分かります。創作料理もかなり工夫がされ、オリジナリティあふれる盛り付けがされているんですが… …

上手いこと言えませんが、美味しい美味しくないの問題ではなくて、全体的に味がしないのです。

 個人的に、今回の料理は、貴族が素晴らしい3段の皿でキュウリのサンドイッチをほうばっているのを思い起こさせます。

 いいなあ!あんな生活したいなあ!と、外からみればそう思うのですが、一口そのキュウリのサンドイッチを食べて見て、ん?

 ちくわの唐揚げの方が味あるで

 とか思いたくないですよね。

 私は中身のない貴族料理に怯えながら食べるよりも、庶民の美味しいお弁当を、ほんとに美味しいね!と言いながら食べていたいと思いました。

 イギリスの家もそうですよね。見てくれはかなり綺麗ですが、シャワーの水圧が弱すぎる、とか。広いバスタブがありますが、そこにためるお湯がタンクが小さすぎて十分じゃない、とか、綺麗なタイルの床だったがその下が腐っていて水漏れがする、など。

 イギリスでは古い家の方が価値があるせいか、こう言う「貴族的な」家も多いので、購入の際はぜひ気をつけてくださいね。でなければ購入後、自費で直さなければならない事になります。

 いやしかし、今回は、高級料理店の気分を味わえただけでも良い経験だったと思います。

 生粋のイギリス人である夫が、この帰り、「美味しかった?」と聞いてきたので、私は「普通よりちょっと上かな」という微妙な答え方をしたのですが、それを聞いた夫が間髪入れず、「僕はそう思わない」と言うのです。

 イギリスでは、自炊が一番かもしれません。

※これはあくまでも私の個人的な感想であり体験談です。

英国古本屋ライター:K・T・エリーズ

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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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