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「本当の自分の考えとは何か」を考えてみる:共感覚とマインドフルネス

 
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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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共感覚とマインドフルネス

ガンダルドワーフ先生

 今日は、マインドフルネスエッセーの一環として、ストレスと共感覚の鋭さについて考えて見たいと思います。

 はるか昔の大学時代にとても尊敬しており、お世話になった美学の教授がいました。フランスに哲学専攻で国費留学をしていた教授で、いつもお洒落な帽子を被っており、日本の黒いスーツ社会でも平気でピンクのスーツジャケットを着こなし、ガンダルフのような立派なヒゲと知性を持ち、ドワーフのような愛着ある見かけと温かい心を持った教授でした。

 その筋ではとても有名でいらっしゃる教授なので、ここでは、「ガンダルドワーフ教授」という事にしましょう。

 「共感覚とは何か」について考えると、私はいつもそのガンダルドワーフ先生が言っていた事を思い出します。

ガンダルドワーフ先生と共感覚

 ある日、扉を開けるなりそのガンダルドワーフ先生が、とある写真家の写真集を開いてこちらを見ていて、生徒である私たちにニコリと微笑みかけるのでした。

 「さあ、ここから何を感じるかな」とガンダルドワーフ先生は言って、無邪気に好奇の目を向けます。

 写真には、後進国の路上で汚れて座っている母親とその子供たちがこちらを凝視している姿が白黒で撮られています。ピュリッツァー賞にでも受かりそうな感じの良い写真なのです。

 先生の好奇の目を満足させようと、後ろにいた学友が、後進国での状況や近年のテロへの感想などを述べ立て始めた直後に、先生はそれを遮り、「君はどう思う」と私に話題をふりました。

 20代に入ったばかりだったその頃は、私にとっては「芸術」が自分が生きていることの全てで、お金を稼ぐことも、人生を送って行くことも、本当に何も知りませんでした。芸術のために命をかける事が自分が生きる事に課された義務のように思い込んでいましたし、ほぼ全ての才能ある詩人がそうしたように、自分も30歳までは生きないと信じ込んでいたのです。

 ですから、次のような回答は、あまり理解されないかもしれませんが、当時の私はそう感じたので、ただ単純に感じた事を答えただけでした。

 「水の中にいるようですね」と私は言いました。そして先生はニヤリとして言いました。

 「これが共感覚だよ皆さん。」

 意味がわかりませんよね。呆気にとられていると、ガンダルドワーフ先生は、さも面白そうに笑いながら、私たちに説明を始める訳です。

「この写真家はね、実は耳が聞こえないんだ。この写真集の写真には、全部音がないだろう。僕はそれを知らずに、音がしないですねと言ったら、本当に、耳が聞こえない写真家で… …」

 と、先生はもう無邪気にはしゃいで、自分がその写真家について、その作品である写真を見ただけで、耳が聞こえないと見抜いた事に感動しっぱなしです。

 とは言っても、先生はきっと、視覚媒体の作品の上になぜ「音がしない」という事実が乗る事ができているかを考えていたのだろうと思いますが、まあ難しい事はガンダルドワーフ先生に任せましょう。

 私がなぜ水の中にいるような感じがすると回答したのかというと、その写真は、どこか水の中にいるようなこもった/詰まった感じがしたのでした。水の中にいると、耳が詰まっているので、音があまりしませんよね。

共感覚とストレス

 「共感覚」とは、ちなみに英語では”synesthesia/synaesthesia”と言うらしいですが、これは芸術家に多いと思います。

 多かれ少なかれ、文字に色を感じたり、音に匂いを感じたりするような、そこで使うように指示されている特定の五感以外の感覚をも感じる知覚を持つ人に現れる現象の事を指します。

 逆かもしれませんね。多かれ少なかれ、この「共感覚」という現象を体験するので、芸術として表現しようとその道を選び、芸術家というものが出来上がったりするのかもしれません。

 そして、この共感覚をもつ人物は、「呑まれやすい」という事も事実だと思います。色々な現象がそこにあるので、振り回されて、そっちの世界観にすぐ取り込まれてしまう。そういうストレスが、かなりあります。

 これは、例えば、よく独裁政治で意図的に行われる熱狂的プロパガンダスピーチで、その政策には反対しているのに関わらず、スピーチを聞かされているうちにその熱さに酔ってしまいやすい事に似ています。

 そこにある世界観に呑まれやすいという事です。ホラー映画を見てすぐ飛び上がってしまう人なども世界観に呑まれやすいという意味では、そうかもしれないですね。

 そして、この事は、「自分を保つ」という事の上では、とても厄介です。いつも、誰かの、もしくはそこにある世界観に持っていかれてしまうのですから、「本当の自分の考え」にたどり着くまでには、一人になって、それを取り返す事に時間を費やさねばなりません。

本当の自分の考え

 特に共感覚を持っていなくても、もしくは、ハイリーセンシティブパーソンなどでなくとも、普通の人にも、環境が揃えば、これは起こり得ます。

 特に今日は、本当は「共感覚」についてを中心にではなく、この「呑まれる環境」での「自分」というものについて書きたかったのですが、少し前置きが長くなってしまいました。

 例えば、新興宗教などで行われる洗脳では、この「呑まれやすい」環境が意図的に作られたりしますよね。もしくは戦場に行く軍隊の士気を上げるために、組織的に「呑まれやすい環境」は作られているかもしれません。

 引いてみれば、多かれ少なかれ、これは普通の会社で起こっている事でもあるのです。

 例えば、残業ばかりで、寝る暇もない、休む暇がない。この状態では、3ヶ月以上続くと、誰しもが大なり小なりうつ病を発症します。

 自分の考えが何かを考える以前に、会社の世界観に呑まれ、会社のしなければいけない事だけを考えているので、

 つまりは、会社という他人の事をどうすれば良いのかばかり考えているので、あなたについてどうすれば良いのかという事を、日に日にあなた自身が忘れて行くからです。

 異常に忙しいと、そうなりますよね。当たり前なのですが、異常に忙しいと、すでに述べたように、その事をすら、考える余裕がなくなってくるので、「私」が置き去りになります。

 「私」が置き去りになった上に、現代のSNSの乱用で「私」が肥大して拡散し、果てには「私」を「皆」と勘違いするような心理状態にも陥ってきますがこれはまた別の話でしたので、ふらっと別の機会にでも書きます。

 みなさん、本当の自分の考えって、なんだったでしょう?

  簡単な事で良いのです。

 自分が何が欲しかったのかとか。

 本当に出世をしたかったのかとか。

 お金は欲しいけど、なんで欲しいと思ったんだったのかとか。

 なんで綺麗になりたかったのかとか。

 なぜ賢いねと言われたかったのかとか。

 なぜ、バカだと言われるのが恐怖だったのか。

 本当に今目の前にあるヒエラルキーは戦う価値のあるものなのか?

 今本当にすごく必要/重要だと思っているものは、本当に自分にとって必要/重要なものなのか… …

 人それぞれ、色々数限りなくありますね。

みなさんがもし、こういう何か言い表せないものに苦しんでいたら、「本当の考え」とは「自分」とは、何だったのか、考えてみてください。

 そしてふとそんな自分を癒すために、今、小さな事で良いので、自分のために、行動してみてください。

  この記事が、皆さんのそんな機会になりましたら幸いです。

 マインドフルネスと自分の時間についてはこちらもどうぞ↓

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英国古本屋ライター:K・T・エリーズ

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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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