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『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!大量連載中!

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[現役翻訳者と]英文読解!-『怪物はささやく』第六回:比喩「curtains shushing」

2020/05/25
 
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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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前回のまとめ

 前回は、「put one’s finger on ○○」という表現をやりました。文字通りに〇〇に指をおくと理解するのではなく、この意味は、「 to discover the exact reason why a situation is the way it is, especially when something is wrong .」(何かがおかしい時などに、なぜそうなのかの理由を発見できる) と理解しましょうということでしたね。

 文脈により翻訳も変わってくるかと思いますが、「(何かがおかしい状況で何がおかしいのかを)はっきりと言える/指摘できる」と理解しても良いかもしれません。

 There was something he couldn’t put his finger on, something different… … までが、前回コナーが悪夢で飛び起きた後、Seven minutes past midnight に部屋で感じていたことでした。
 では、本文を、リンクした単語を参照しながら、今日の部分を読んで行きましょう。

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本文引用とボキャブラリ

(The nightmare was slipping from him, but there was something he couldn’t put his finger on, something different, something…)

He listened, straining against the silence, but all he could hear was the quiet house around him, the occasional tick from the empty downstairs or a rustle of bedding from his mum’s room next door.
Conor—
—略
He felt a rush of panic, his guts twisting. Had it followed him? Had it somehow stepped out of the nightmare and—?
—略
Conor.

It had been an unusually warm October, and his window was still open. Maybe the curtains shushing each other in the small breeze could have sounded like —.

Conor.

Patrick Ness “A Monster Calls” /Online Free English-English dictionaries such as “Cambridge Dictionary“/Oxford Dictionaries etc
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 今日の表現解説

1. straining against the silence

 まずは、straining against the silence という表現も、日本人としては、掴みづらい気がしますね。strainには色々な意味がありますが、身体の一部を伴うこのような表現においては、基本的な意味は以下のようになります。

strain =
force (a part of one’s body or oneself) to make an unusually great effort .

例:”I stopped and listened, straining my ears for any sound”

Online Free English-English dictionaries such as “Cambridge Dictionary“/Oxford Dictionaries etc

 文章中の単語を上記の意味に沿って置き換えてみると以下のようになります。

He listened, force (his ears) to make a great effort against the silence, but all he could hear was the quiet house around him.

 コナーは、夜の静けさの中に、聞きなれない音がないかと、静けさに対してすごく努力するよう自分の耳に強いて(耳をすまして)みたのですね。

 しかし、聞こえたものは静かな家の音でした。

2. a rush of panic

 次に行きましょう。この「rush」も、「in a rush」などで使用され、急いでいるイメージが強い単語なので、少し捉えづらい表現ですね。パニックの急ぎと言う訳ではなく、この文脈では、以下の意味を持ちます。

(n) rush —the act of suddenly moving somewhere quickly

ケンブリッジ英英辞書 https://dictionary.cambridge.org/ja/dictionary/english/rush

少しその意味を踏まえ、文章を書き換えてみましょう。

He felt the act of panic suddenly moving (somewhere) quickly, his guts twisting.

 つまり、a rush of panicとは急いでいる状態を指すのではなく、パニックが突然素早く動く様子を表しています。そしてコナーはその動きを身体の中で感じています。日本語で言えば、パーッと上がる、背筋に悪寒が走るなどが近いでしょうか?

the curtains shushing each other in the small breeze

 次に、the curtains shushingと言う比喩が出てきます。この表現は、この状況ではとても美しいですね。心情描写と情景描写を同時に行なっています。shushと言う単語の意味は、以下のようになります。

used to tell someone to be quiet:

例:Shush! I want to listen to the news

ケンブリッジ英英辞書 https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/shush 

 上記の辞書の意味を反映させると、この文章は、「the curtains telling each other to be quiet in the small breeze」と書き直せますね。以下に全文を書き直してみましょう。

Maybe the curtains telling each other to be quiet in the small breeze could have sounded like…

 つまり、カーテンが静かにしてよ!ともう一方の違うカーテンに言っているように、と言う比喩表現です。カーテンが、開けた窓から入ってくるわずかな風によって、お互いに擦れる音がして、それがシーっとお互いに言っているように聞こえるのだと言う事を比喩している訳です。

 そこでコナーは、自分を呼んだのはモンスターではなく、そのカーテンが擦れた音がきっと、自分の名前を呼んだように聞こえたに違いないと思い返す訳です。

 今日はここまでです。以上を踏まえ、もう一度今日の部分を読み直してみましょう。英語には面白い表現がいっぱいありますね!

 今、窓辺に近ければ、そこにあるカーテンを揺らしてみてください。静けさの中では、カーテンが擦れる音があなたを呼ぶように聞こえるはずです。

一日に小さなファンタジーを一つ信じてみましょう。きっとあなたの生活が優しく、素敵なものになります。

 

英国古本屋ライター:K・T・エリーズ

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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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