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『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!大量連載中!

まだ連載中ですが、現在、公式「Life in the UK」のテキスト解説をほぼ網羅しております。試験に必要な方はぜひご活用ください。

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[現役翻訳者と]毎日英文読解!-『怪物はささやく』第五回 put one’s finger on

2020/05/25
 
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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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前回のまとめ

 イギリスでは、時計を読むとき、30分を境にして「A時から何分過ぎたか(○○past A)」「B時まで何分あるか(○○to B)」と言います。例えば「10 to 7」というのは6時50分である、というようなお話をしました。詳しくは「[こちら]」を参照ください。

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ボキャブラリ

 ボキャブラリの項目は、本稿から本文引用の中に埋め込むことにしました。読みながら単語をクリックしてみてください。単語の覚え方はこちら。尚、複数意味が書いてある単語に関しては、最も合っている意味を考えて選び、理解して行きましょう。では、読んでいきましょう。

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本文引用

He’d told no one about the nightmare.
Not his mum, obviously, but no one else either, not his dad in their fortnightly (or so) phone call, definitely not his grandma, and no one at school.
Absolutely not.
What happened in the nightmare was something no one else ever needed to know.

Conor blinked groggily at his room, then he frowned. There was something he was missing. He sat up in his bed, waking a bit more.
The nightmare was slipping from him, but there was something he couldn’t put his finger on, something different, something…..

“A Monster Calls” by Patric Ness /Online Free English-English dictionaries such as “Cambridge Dictionary“/Oxford Dictionaries etc
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 表現の理解

 コナーは悪夢にうなされていますが、誰にもその悪夢の内容を告げたことがないと書いてあります。その「悪夢」の概要が前前回読んだ場所にも記されていました。

 少し引用してみましょう。

Conor had a nightmare —略—
The one with the darkness and the wind and the screaming. The one with the hands slipping from his grasp, no matter he tried to hold on. The one that always ended with… …

“A Monster Calls” by Patric Ness

 文中の”The one”というのは、前文にあった「a nightmare」を受けた代名詞です。The oneですから、その悪夢がコナーにとって特別なものである事が伺えます(「the one」についてはこちらの「前回のまとめ」をどうぞ。)。黄色いマーカーのところに、その悪夢の内容が少しだけ書いてあります。この文章は、文字通り理解してもらって構いません。
 コナーがいくら止めようとしても、やはり滑り落ちて行ってしまう手の夢です。「その夢の最後はいつも… …」までしか語られていませんね。この「 … … 」の部分が、今回の引用文の中で述べられている、コナーしか知らないで良い部分なのです。

What happened in the nightmare was something no one else ever needed to know.

“A Monster Calls” Patrick Ness

とコナーは述べています。

  次に行きましょう。

 フォーマルな文面ではあまり見慣れない表現、”or so”とかっこで書いてあるものが文中にありますね。これは辞書がapproximatelyと言っているように、「約」という意味です。つまり、コナーは、父親と(約/おおよそ)2週間に一度くらい電話で会話をしている、という事です。

 

 今日の大事な表現 put one’s finger on

“He could’t put his finger on,” という言い回しがあるかと思います。これは、文字通り「指を置けない」と理解してはいけません。

 辞書には次のように載っています。

“put one’s finger on” = “to discover the exact reason why a situation is the way it is, especially when something is wrong.”

本文に載っているのは、”He couldn’t put his finger on.” という否定形ですから、ここでも単語を置き換えて理解しようと試みましょう。
 ”There was something he couldn’t discover the exact reason why the situation was the way it was.” 「そこには、彼がなぜそうなのか明確な理由を発見できない何かがあった」と直訳できます。それだ!と明確に述べる事ができない、何かおかしなもの(something different)がそこにある気がしたのですね。そしてコナーは、夜の静けさに圧迫されながらも、耳を澄ましてみるのでした。

 今回は、だいたいここで突っかかるかなあという所を解説してみました。それを踏まえ、もう一度本文を読んでみてください。
 この表現は何?というところがありましたら、コメント、もしくはお問い合わせから質問をください。読み続けましょう!

ではまた明日!
明日の第六回はこちらをクリック(記事がない場合は、まだ執筆中です。日本時間の毎晩18時頃にアップロードされます。)

英国古本屋のライター:K・T・エリーズ

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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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