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『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!大量連載中!

まだ連載中ですが、現在、公式「Life in the UK」のテキスト解説をほぼ網羅しております。試験に必要な方はぜひご活用ください。

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『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!第26回「イギリスの歴史:清教徒革命の始まり」

2020/03/21
 
ロンドン市内
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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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清教徒革命(English Civil War)の始まり

 さあ、みなさん、前回までは、王権神授説(Devine Right of Kings)を信じたチャールズ1世の統治世代に起ったもろもろの出来事の話でした。

 王の権利を好きなように使えると考えたチャールズ1世が、国会を無視してその権力を行使しはじめます。

 そしてわがままをし放題だったところに待ったがかかり、あの高慢なチャールズ1世がなぜか国会の助力を求めだしたところで前回は終わった訳です。

 それがなぜだったのかを見てみましょう。

チャールズ1世とイングランド国教会

 チャールズ1世は、イングランド国教会の在り方にも変更を加えようとしました。

 特に、その崇拝様式に、もっと式典などを追加したり、新たに式典や礼典や礼拝の様式基準を書き直した改訂版の祈祷書 (Prayer Book)を導入しようと試みます。

チャールズ1世とスコットランドの長老派教会(Presbyterian Church)

 チャールズ1世は、その祈祷書(Prayer Book)を、主にスコットランドで派生したキリスト教のカルヴァン派である長老派教会(Presbyterian Church)に使用するように迫ります

 この事が、人々の心に深刻な不信感をもたらしてしまいます。

チャールズ1世とスコットランドの軍事力

 結果として、それに激怒したスコットランドの軍隊がチャールズ1世に立ち向かうべく形成されます

 これに対し、チャールズ1世も軍を出そうとしますが、手元に資金がありません

 王の資金は、今まで王がやりたい放題やっていたため既に底をついています。

 その時に、チャールズ1世は再び国会に金銭的助力を求めるしか解決策を見出せなかったのでした。

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清教徒革命

1640年、チャールズ1世は、自身の軍の資金援助を求めて国会(parliament)を呼び戻します

 当時、多数の国会議員が、カルヴァン派のプロテスタントである清教徒/ピューリタン(Puritan)と呼ばれる人々でした

 「清教徒/ピューリタン」たちは、日本語の「清教徒」という名前からも想像できますが、主に、厳格でシンプルな宗教教義と崇拝様式を提唱していたプロテスタントの人々の集まりです。

 そうやって、宗教改革(Reformation)以降も、色々な宗教の在り方を探って、大まかなカトリックとプロテスタントという2つの枠の中でも更に、人々の宗派が枝分かれして行っていたのですね。

チャールズ1世と議会

 想像にたやすいですが、国会議員の多数がこういう思想や宗教的価値観を持ったピューリタンたちであるのならば、チャールズ1世にスコットランドの軍に対抗できる軍事力を持たせるような巨額の資金を援助したい訳がありませんよね。

 むしろ、議会は、きっとスコットランドの長老教会と同じような不信感をこの王に抱いていたはずです。

 事実、多数の国会議員たちが、チャールズ1世の宗教的価値観と彼がイングランド国教会に加えた新たな宗教教義や崇拝儀礼の様式を快く思ってはいませんでした。

 そして、国会側は結局チャールズ1世への資金援助を断ります。王の申し出を断るのですから、ここで既に宣戦布告です。

 これはしかも、スコットランドがイングランドを侵略してしまった後ですら国会はチャールズ1世に助力しようとはしませんでした。

アイルランドの反乱

 また別の反逆が、アイルランドでも起こります。

 これは、アイルランドのローマ・カトリック教会が、ピューリタンの勢力が日に日に成長していく事を恐れたためです。

 スコットランドで軍が隆起してイングランドを征服し、アイルランドでもイングランドの支配権が及ばなくなるほどの反乱が起こったのですね。

 国内がむちゃくちゃになっていきます!

 この一連の市民戦争を、イギリス の清教徒革命(English Civil War)と言います!

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国王と議会:権力の移行

 国は今清教徒革命の真っ只中で、もういろいろ無茶無茶になっています!

 そしてここぞとばかりに国会が、イングランドの軍事権を掌握する機会を得ます

 軍事権を国会が握るという事は、実質的な権力が、王から国会へと移ったという事で、これは重大な変化でした。

 それに対し、チャールズ1世は庶民院(the House of Commons)に立ち入り、主要な5人の国会議員のリーダーたちを逮捕しようとします

 しかし、その5人は王が国会に踏み込む前に警告されており、既にそこにはいませんでした!

(それほど、王の味方が少なかったのですね。この事件以降、歴史上どの君主も庶民院(the House of Commons)に実際に足を踏み入れた事はありません。

国王派と議会派

 この事件のせいで、王と議会との間の戦争は避けられない状態となり、1642年には、本格的な内戦が勃発します。

 王を支持するもの(the Cavaliers)と、国会を支持するものたち(the Roundheads)で、国は、2つに分かれて争いに突入するのでした。

 このCavaliersとRoundheadsはテストに出やすいので、どちらが王派でどちらが議会派かうっすら覚えていると良いと思います。

ちなみに、Roundheadsというのは日本語で「円頂党」と訳されます。ピューリタン革命の議会派の蔑称であるらしいです。髪を短く刈り込んでいたことからこう呼ばれるようになったとか。

 一方で、Cavalierというのは、そもそも「騎士」という意味ですが、「無頓着な」という形容詞でも使えます。日本語では「王党員」と訳されますね。

 この2つの王党派と議会派を覚えるために当時走り書きと絵を描いていたので、それを載せて今日は終わりにしたいと思います。

お手製感みなぎるCavalier(左)とRoundhead(右)

左の人はお金ばかり使う横暴で嫌な騎士(王チャールズ1世の味方)、右の人は熱心に信仰を深めようとして髪が薄くなって(円頂頭(本当は円頂党w))しまったピューリタンの議会派の一人。

 こういうわかりやすーい人々が戦っているのを清教徒革命(English Civil War)と言います。笑。

 なんだかんだでちょっとイメージできましたか?

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ボキャブラリ

“2020 Edition Life in the UK Test Handbook” p28-p28

日本語チーターシートは以下をクリック!

さあ読んで行きましょう!試験は全部英語です!!!いつもの英語での英単語の覚え方はこちら「2. 英語で覚える英語のボキャブラリー」をどうぞ!

必須単語は黄色いマーカーの所なので、絶対に覚えてください。

worship | v. to have or show a strong feeling of respect and admiration for God or a god:

impose |v. to officially force a rule, tax, punishment, etc. to be obeyed or received:

Presbyterian

unrest | n.[U]disagreements or fighting between different groups of people:

puritan |n.[C]someone who believes that it is important to work hard and control yourself, and that pleasure is wrong or unnecessary:

advocate |v to publicly support or suggest an idea, development, or way of doing something:

doctrine|n.[C/U] a belief or set of beliefs, especially political or religious ones, that are taught and accepted by a particular group:

transfer |v. to move someone or something from one place, vehicle, person, or group to another:

substantial |adj. large in size, value, or importance: / relating to the main or most important things being considered:

split |v. to (cause to) divide into two or more parts, especially along a particular line:

cavalier |n. a supporter of King Charles I in the English Civil War.

roundhead | n. a member or supporter of the Parliamentary party in the English Civil War

By Collins English dictionary , Cambridge Dictionary, Wikipedia, Oxford Dictionaries
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今日の問題

Which TWO were associated with King Charles I and Parliament during the English Civil War?

1. Tories
2. Roundheads
3. Cavaliers
4. Luddites

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役立つ情報を毎日更新して行きます!🙂

英国古本屋ライター:K・T・エリーズ

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次回

 ではみなさん、よければ、「『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!第27回」でお会いしましょう!(以下に埋め込みリンクがない場合は執筆途中です。記事は月-金の毎日、日本時間の19:00PM/英国時間の11:00AM頃更新されます。)

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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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