『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!第67回「イギリスの歴史:ウィンストン・チャーチル」
略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。
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前回までのお話
前回のお話では、ヒットラー率いるドイツがイギリスの制空権を争って空中戦を開始しました。
英国空中戦(Battle of Britain)でドイツは負けますが、夜間にロンドンやその他の市街地に爆弾を投下し、奇襲攻撃をし続けます。
ロンドンのイーストエンドは特に被害を被りますが、この空襲が逆にイギリス国民の精神を一致団結させ、Blitz spiritという言葉が生まれました。
ウィンストン・チャーチル
さて、第二次世界大戦でイギリスの首相であり軍事のトップであったのは、ウィンストン・チャーチルです。
以前も少し触れましたが、1933年にヒットラーが政権を勝ち取り、1940年にドイツ軍が連合国軍を打ち負かし、フランスに攻め込もうとしていた国家存亡の危機の局面にこのウィンストン・チャーチルは首相になります。
↑この人がウィンストン・チャーチル Winston Churchill (1874 – 1965)です。教科書に載っている写真は軍服を着て葉巻をくわえ、もっと軍人らしいですよね。
チャーチルは政治家の息子として生まれます。
1900年に保守党の(庶民院House of Commons)議員となる前は、チャーチルは一兵士でありジャーナリストでもありました。
1940年の5月に、ウィンストン・チャーチルは首相になります。
チャーチルは国家存亡の危機における難局で、ナチスドイツに降伏する事を拒み、イギリスの国民に前向きなインスピレーションを与えたリーダーです。
政治面ではチャーチルは1945年の総選挙で一度負けますが、1951年には首相として再度返り咲きます。
1964年の総選挙で辞任するまで、彼は議員であり続けました。翌年1965年にチャーチルが死亡した際に、彼は国葬されます。
チャーチルは今日に賞賛すべき人物としてその名を残しています。2002年には、史上最も優れたイギリス人としてTV番組の”Greatest Briton” 内で国民から投票されました。
チャーチルのスピーチ
首相着任時のスピーチ
戦時中、チャーチルは幾多もの有名なスピーチを残しています。今日でもその一節を耳にする日があるかもしれません。例えば、
”I have nothing to offer but blood, toil, tears and sweat”
Churchill’s speech / Translation by K .T. Aries
私が提供できるのは、血と努力と涙と汗のみだ。
上記の一節は、1940年にチャーチルが首相になった後で庶民院に向けた一番最初のスピーチからの一節です。
何度も言いますが、チャーチルが首相となったのは、国家存亡の危機の真っ只中でした。
今にもドイツ軍が攻めて来ようとしているところを、これからチャーチル率いるイギリスはドイツ軍に降伏せずに、戦い抜こうと決心したのです。その時のリーダーとしての心意気の一節ですね。
「ダンケルクの戦い」(Battle of Dunkirk)後のスピーチの一節
“We shall fight on the beaches,
Churchill’s speech / Translation by K .T. Aries
海辺でも
we shall fight on the landing grounds,
着地した地面の上でも
we shall fight in the fields and in the streets,
平野でも街路でも
we shall fight in the hills,
丘の上でも、我々は戦う
we shall never surrender”
決して降伏はしない
上記は、1940年にドイツ軍に追い詰められフランスのダンケルクで行われた「ダンケルクの戦い」の後で、庶民院へ向けられたスピーチです。
ドイツ軍には、降伏しない!という意思がありありと伝わって来ますよね。
「英国空中戦」(Battle of Britain)中のスピーチの一節
“Never in the field of human conflict was so much owed by so many to so few”
かつて人間の争いにおいて、このように多大な恩恵が、ごく少数から優れて多数へと与えられた事はなかった
Churchill’s speech / Translation by K .T. Aries
これは、1940年の「英国空中戦」でドイツ軍がイギリスの制空権を取ろうとした時の戦争中に、庶民院へ向けられたスピーチです。
これはちょっと日本語で言い表すのが難しく、「かつて人間の争いにおいて、こんなに沢山の恩恵が、少数の犠牲から、沢山の命のために、与えられた事はなかった」としていたのですが、こちらの方が分かり易かったでしょうか。
つまりドイツ空軍に比べ、この時「英国空中戦」でイギリス空軍のパイロットとして戦った部隊は小数精鋭部隊(少数)で、しかもこの空中戦に勝って国民(多数)を救いましたね。ものすごい大多数(国民)がムッチャ少数(空軍パイロット)に命の借りがある訳です。
ちなみにこのスピーチの後、英国空中戦で活躍したイギリス空軍のパイロットたちは、このチャーチルのスピーチにちなんで、”The Few“と称されたのだそうです。
これらのスピーチは、テストでも誰のものかが出た気がするので、まあなんとなーく、全文覚える必要はないですが、ああチャーチルでこういうのあったな、くらいには、覚えておきましょう。
夫のスピーチク(どうでもいい話)
さて、日本人の政界の有名人のスピーチが詩的であるので、いざ覚えようと思ったことは、個人的には一度もないような気がします。
まあ敗戦国であるので、戦時中のスピーチ内容などあまり出回らないからにせよ、今現代でも詩的なスピーチをする人はきっと日本の政界にはいませんよね。やはり英語圏の人々のスピーチは日本人のものとは格が違います。
普通市民の結婚式パーティーなどのスピーチでもそうです。
全くもって、準備にかける時間からして全然違います。
夫がよく何かにつけ友人のパーティーなどでスピーチをしますが、なるほど、いつも私と喧嘩をする時も、ふと気がつくと夫は、私の肩越しの、夜更けの窓に映った答弁する(喧嘩をする)ジェスチャー混じりの自分の姿に惚れ込んでいる始末です。
いくら言い返そうとも怒りませんが、その映った自分の姿の前に立つと怒り始めます。現実に戻るのでしょうね。夫のそれはスピーチではなくて、ピーチクパーチクデタラメのつぎはぎ理論を展開しているだけなので、個人的に私はそれをスピーチクと呼んでいます。
喧嘩をしているだけなんですけどね。笑。チャーチルのスピーチと夫のスピーチクは比べ物になりませんが、まあそれだけ、こちらの文化では、前に出て何かを言うという事を一生懸命やって来た人は、より評価される文化ですよという事を言いたかったのでした。
ボキャブラリ!
“2020 Edition Life in the UK Test Handbook” p50-p50
さあ読んで行きましょう!試験は全部英語です!!!いつもの英語での英単語の覚え方はこちら「2. 英語で覚える英語のボキャブラリー」をどうぞ!
必須単語は黄色いマーカーの所なので、絶対に覚えてください。
Conservative MP | a member of parliament from Conservative party
By Collins English dictionary , Cambridge Dictionary, Wikipedia, Oxford Dictionaries, Merriam-Webster Dictionary
surrender | v. cease resistance to an enemy or opponent and submit to their authority:
inspirational | adj. providing or showing creative or spiritual inspiration:”the team’s inspirational captain”
hardship | n. severe suffering or privation:
stand down | v. a relaxation of status of a military unit or force from an alert or operational posture
Briton | n. a native or subject of Great Britain
toil | long strenuous fatiguing labor/laborious effort
owe | to be under obligation to pay or repay in return for something received :
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英国古本屋ライター:K·T·エリーズ
次回
ではみなさん、よければ、「『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!第68回」でお会いしましょう!(以下に埋め込みリンクがない場合は執筆途中です。記事は月-金の毎日、日本時間の19:00PM/英国時間の11:00AM頃更新されます。)
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