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『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!大量連載中!

まだ連載中ですが、現在、公式「Life in the UK」のテキスト解説をほぼ網羅しております。試験に必要な方はぜひご活用ください。

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『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!第十八回「イギリスの歴史:チューダーとスチュアート

2020/03/14
 
ロンドン市内
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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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チューダーの時代

ヘンリー7世からヘンリー8世へ

 さあ、バラ戦争が終わり中世が終焉を迎えると、次は、かの女好きで有名なヘンリー8世の時代に突入します。

 薔薇戦争で勝利したランカスター家のヘンリー7世(Henry Tudor)がいましたよね。忘れた人は以下をどうぞ!

薔薇戦争を忘れた人は、上の記事をクリック!

そのヘンリー7世の息子が、ヘンリー8世です。

同じ名前、ヘンリー・チューダー(Henry Tudor)です。

 外国の歴史をものすごく解りづらいものにする一つに、名前があると私は思っています。

 同じ名前が続く場合もそうですが、そもそも、それが名前という感じがしないのです。

 まあ、それはさておき。

 ヘンリー7世は、薔薇戦争のあと、イングランドを平和に争いなく統治します。またそれが彼自身の王である地位をゆるぎないものにしました。

 ヘンリー7世は意図的にイングランドの中央集権化を図り、他の貴族の権力を遠ざけます。
 また、その節約家の精神で、王のための「予備金(monarchy’s financial reserve)」を設立します。

 ヘンリー7世の死後、その息子のヘンリー8世も、ヘンリー7世の中央集権化の方針を引き継ぎます。

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ヘンリー8世

 ヘンリー8世は、主にローマ・カトリック教会からイングランド国教会を分離させたことと、6人の妻を迎えた事で有名です。

6人の妻たち

 そして、このヘンリー8世の妻たちの順番が、なぜか重要視されて試験に多発しますので、覚えましょう。

  1.    キャサリン・オブ・アラゴン(Catherine of Argon)
  2.    アン・ブーリン (Anne Boleyn)
  3.   ジェーン・シーモアJane Seymour
  4.    アン・オブ・クレーヴズ (Anne of Cleves)
  5.    キャサリン・ハワード (Catherine Howard)
  6.    キャサリン・パー (Catherine Parr)

一番ひどかった問題は、確か

「アン・ブーリンは3番目の妻である、T or F ?」という問題です。笑。
 
 —Fです。 2番目ですよね。

ヘンリー8世のそれぞれの妻たちの運命

1.   キャサリン・オブ・アラゴン ( Catherine of Argon )

     キャサリン・オブ・アラゴンは、もともとスペインのプリンセスです。どこか、不幸そうですよね!

キャサリン・オブ・アラゴン 1485-1536

 この一番目の妃のキャサリンは子供をたくさん作りましたが、たった一人「メアリー」だけが生き残りました
 このメアリーが、のちの「メアリー1世」です。あのプロテスタントを迫害したという「ブラディメアリー」として知られる女王になります

 そして、キャサリンが年老いて子供を産めなくなったと判断したヘンリー8世は、彼女と離婚する決意をします。最低な男ですよね!

 ヘンリー8世は、後継者の男子を産んでくれる別の女性が必要でした。

2. アン・ブーリン (Anne Boleyn)

アン・ブーリン (Anne Boleyn)  1501-1536

 2番目の妃であるアン・ブーリンはイギリス人です。

この人は、ヘンリー8世との間に、女の子エリザベスを産んで、その後愛人を作った罪で、タワーオブロンドン(Tower of London)にて死刑になります。

もうここまで来たら最低を通り越して怖い!恐ろしい男です!ヘンリー8世!

 この人の産んだ女の子のエリザベスが、後の世に人気を博した女王の「エリザベス1世」になる訳ですね。

 これは試験でもちょくちょくみかけました。エリザベス1世の父親/母親は誰か?という問題です。ヘンリー8世とその2番目の妃のアン・ブーリンですよね。

3.  ジェーン・シーモア(Jane Seymour)    

ジェーン・シーモア(Jane Seymour ) 1509 – 1537

 さあ、ここら辺から疲れすぎて絵が適当になってきます。笑。

 3番目の妃であるジェーン・シーモアは、ヘンリー8世待望の男の子を産みます。

エドワードです。

この待望の男の子が、ヘンリー8世の死後、「エドワード6世」になりますね。しかしこのエドワード6世も15歳でこの世を去ります。

 エドワードが生まれた直後に、この3番目の妃は亡くなってしまいます。

4.アン・オブ・クレーヴズ (Anne of Cleves)

アン・オブ・クレーヴズ (Anne of Cleves) 1515 – 1557

 4番目の妃、アン・オブ・クレーヴズはドイツのプリンセスです。

 ヘンリー8世がこのアンの肖像画を一目見て、この人を気に入り、結婚します。

しかし、これは結局、政略結婚だったので、ヘンリー8世はその後すぐにこの妃と別れます。

 その後このドイツの姫は、和平上「王の妹」としての地位を認められるのだとか。

5. キャサリン・ハワード (Catherine Haward)

キャサリン・ハワード (Catherine Howard) 1521 – 1548

       5番目の妃キャサリン・ハワードは、ヘンリー8世の2番目の妃、アン・ブーリンのいとこにあたる人物です。

 そしてこの人も、なぜか愛人を作ったという罪で死刑にされてしまいます。

 いとこ同士で同じ男によって死刑に!呪われていたとしかいいようがありませんよね!それか、いとこ同士で王を手籠めにしようと命をかけた策略を練って失敗したのでしょうか?

 いや、やはりヘンリー8世の好みと嫉妬だとしかいいようがないかもしれません。恐ろしい!

6. キャサリン・パー (Catherine Parr)

キャサリン・パー (Catherine Parr) 1512 – 1548

6番目の妃のキャサリン・パーは、ヘンリーの8世の後期にヘンリーと結婚しました。

結婚した当初、彼女は未亡人でした。

 この人は教養深いプロテスタントであり、のちに王/女王となるエドワードとエリザベスの教育を任されました。

王と妃と宗教と

  ここまで一通り、ヘンリー8世の妃の系譜を辿ってきました。

 この妃たちが重要であるのは、イギリスにおける後々の主な王位継承者たちを生み出している事です。

 また、もう一つの理由があります。この1番目のキャサリン・オブ・アラゴンとの離婚騒動が、ローマ・カトリック教会からの分離に繋がっているからです。

  王のわがままは国の宗教形態をも動かします。

離婚とイングランド国教会の分離

 当時、王が離婚などの取り決めを行う際には、ローマ教皇の許可が必要でした。そこまで宗教が絶大な力を持ってきていたのですね。

 それに激怒したヘンリー8世は、教皇が権威を持つローマ・カトリック教会と分離した新しい教会としての「イングランド国教会(the Church of England)」を設立させ(つまり分離させ)、教皇の権力を無視して離婚を通してしまいます

 ローマ・カトリック教会の最高権力者である教皇に対抗する形で、 ローマ・カトリック教会からイングランド国教会が分離され、プロテスタントの教会として設立され直される訳です。

 この教会では、教会の司教(bishops)を任命できるのは、教皇ではなく王であり、また、どのように人々が神を崇拝すべきなのかという方針も王に決定権があります。

 こうやって、離婚だのなんだの言いながら、なんだかんだで「宗教改革」が行われる訳ですね。

表面だけを信じてはいけません。いつも本当の理由は、明確にそこにあるのが見えるのですが、色々巧妙に闇の中に.. …

ということで今日はここまでにしましょう。 :)

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ボキャブラリ

“2020 Edition Life in the UK Test Handbook” p22-p23″Religious Conflicts”

さあ読んで行きましょう!試験は全部英語です!!!いつもの英語での英単語の覚え方はこちら「2. 英語で覚える英語のボキャブラリー」をどうぞ!

日本語チーターシートは以下をクリック!

必須単語は黄色いマーカーの所なので、絶対に覚えてください。

secure |adj positioned or fixed firmly and correctly and therefore not likely to move, fall, or break:

deliberately |adv intentionally

strengthen |v. to make something stronger or more effective, or to become stronger or more effective:

administration |n. [U] the arrangements and tasks needed to control the operation of a plan or organization:

thrifty |adj. showing a careful use of money, especially by avoiding waste:

monarchy |n. [U] the system of having a king or queen: / a country that has a king or queen

reserve |n. something kept back or set aside, esp for future use or contingency

financial reserve | n. A financial reserve is any amount of money that is kept purely for the purpose of having cash on hand in the event of unexpected changes .

centralise |to remove authority in a system, company, country, etc. from local places to one central place so that the whole system, etc. is under central control:

divorce |an official or legal process to end a marriage:

heir |a person who will legally receive money, property, or a title from another person, especially an older member of the same family, when that other person dies:

accuse | v. to say that someone has done something morally wrong, illegal, or unkind:

execution |n[C/U] the legal punishment of killing someone:

widow |n. a woman whose husband or wife has died and who has not married again

approval |the feeling of having a positive opinion of someone or something:/ official permission:

the Pope |The Pope (Latin: papa from Greek: πάππας pappas,[1] “father”),[2] also known as the Supreme Pontiff (Pontifex Maximus), or the Roman Pontiff (Romanum Pontificem), is the Bishop of Rome, leader of the worldwide Catholic Church, and head of state representing the Holy See.

By Collins English dictionary , Cambridge Dictionary, Wikipedia, Oxford Dictionaries
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今日の問題

For which 2 reasons are Henry VIII remembered?

1. horse racing
2. married 6 times
3. broke away from the church of rome
4. had seven sons

 ではみなさん、よければ、「『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!第十九回」でお会いしましょう!(下記に埋め込みリンクがない場合は執筆途中です。記事は月-金の毎日、日本時間の19:00PM/英国時間の11:00AM頃更新されます。)

「『Life in the UK』テスト一発合格勉強法!」シリーズの、過去の全記事が、「目次 SiteMap」の「Life in the UK」にありますので、良ければリンクをクリックして、見たい所からご覧ください!

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英国古本屋ライター:K・T・エリーズ

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 略歴:渡英後すぐ、イギリスの某大手IT企業に就職。IT/マーケティング資料/サポート記事の翻訳や校正を現役で担当中。ローカライズ歴5年目。プライベートでは、現地で結婚。夫婦の共通言語は英語。

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